いくら安くても及第点以上の音質でなければ意味ないということで、設計上だけでも音に期待できるものでなければならない。そのためには電源がしっかりしたDACのほうが音に期待できるだろうし、安定した動作が期待できるだろう。
無論、高級であればそれなりに音質や機能に力が入ってることは間違いなのだが、使い勝手という点では必ずしも良いとは限らない。性能よりも省スペースや低消費電力を重視するなら低価格DACのほうが最適であるだろうし、不必要な機能は邪魔ですらあることもある。肝心の音質についても及第点以上であれば価格差ほどの違いはないので好みでしかないだろう。客観的に音質を評価するのは不可能なのでノイズレベルを評価することが多いが、ノイズが一定以下であれば十分で低ノイズほど高音質とはいえない点にも注意。
オーディオDACのタイプ
ヘッドフォンアンプ搭載かどうか
おまけとしてのヘッドフォンアンプ搭載DACもあれば、ヘッドフォンアンプがむしろメインのDACもある。純粋なDACとしての利用であればヘッドフォンアンプはいらないけれど、あったからといって特別に何か損するようなこともないので、不要だからといってヘッドフォンアンプ不搭載に拘る必要もないだろう。ただこの辺はDACの設計によるところも大きい。
ヘッドフォンアンプがメインのDACであれば今のトレンドはバランス出力対応のヘッドフォンアンプを搭載してることが多い。バランス出力だから音が良いのかは議論があるようだが、低インピーダンスのイヤフォンでもなければ(バランスは出力が高いメリットがあるがノイズも大きくなりやすい。)バランス出力のほうが概ね良好と思って良い。なお注意点としていわゆるバランス出力用途の端子であるXLR端子や4.4mm端子を搭載してたとしてもバランス駆動ではなくアンバランス駆動だと思われる場合もある。バランス駆動であれば出力がアンバランス駆動に比べて倍近いはずであるが、そうではないときは、回路はバランスでもヘッドフォンアンプがバランス駆動でないと思われ、そのような構造を疑似バランスと称する。
入出力の豊富さ。バランス出力があるかどうか
ほどんどの機種でUSB、光、デジタル入力、ブルートュース入力を備える。DACによってはARC入力もある。
出力はアンバランスRCA。機種によってはバランス出力がある。コスト的に上位であればバランス出力を搭載することが多い。
機能や操作性。リモコン付属かどうか
スペック的に表に出る要素ではないが重要。様々な設定がそもそも出来るかも含めてDACの機能や操作性に違いがある。
オーディオDACの電源タイプ
USBtypeC5V
小型の格安DACに多いタイプ。電源としてなのでUSB端子形状ではあるが、PCのUSB端子に差すのではなくAC充電器などを活用することを想定している。AC充電器は付属しないだろうから古いスマホの充電器などを流用すれば追加費用はかからない。
電源としては非力なので機能的な制限は発生するが、低消費電力で省スペースは実現しやすい。
ACアダプタ
12Vぐらいが多い。最もポピュラーでアダプタが邪魔ではあるが設置の融通は効く。音質がACアダプタの性能に左右される可能性はあるのでリニア電源にグレードアップする人もいるとはいえ、コスパ的にはNFJのノイズ対策商品が安価なのでお勧め。
ACインレット
電源コードは大型商品では一般的であるが、小型DACとしては非主流。ACアダプタとどちらが良いかは好みもあるし、音質的にどちらが有利とも単純に比較できないのでそのDACの設計によるところも大きい。
ACインレットタイプの場合だと過去にトランス式の電源が普通であったが、現在ではACインレットタイプでもスイッチング方式の電源が主流。一般的にトランス式のほうが低ノイズだとされるがスイッチング方式のほうが消費電力が低く、重量及びサイズでも優位。音質的にもスイッチング方式の技術向上により一概に劣るということでもなく、高級機でもスイッチング方式採用の機種もある。
オーディオDACのお勧めコスパ機
AIYIMA DAC-A7
小型ながらヘッドフォンアンプ搭載で、基本的な入出力を備える。派手さはないが外観的にもまとまっていて悪くない。
DACチップはES9038Q2M。
電源は5Vでアダプタはなし。
まさに必要最小限といった構成ではあるが、最低限の機能はすべて備えるといって良い。価格も1万円強とコスパに優れる。
AIYIMA D20
派手目の外見でコスパを売りにするaiyimaにしては高級機ですらあるDAC。ヘッドフォンアンプは搭載せず、フルバランスXlr端子を備える。ARC入力に光端子も2系統で入出力は豊富で困ることはないだろう。
DACチップはES9039Q2M+AK4493Sを搭載で、切り替えて使えるので両者を聞き比べることができる意欲作。
電源は12Vの電源アダプタ。リモコンも付属。
なかなか高機能で評価も高いが、4万越えの値段がネック。
FIIO K7
古めではあるが性能は今でも十分に現役。フルバランスヘッドフォンアンプ。
DACチップはAK4493SEQを2基搭載。
FIIO K11 R2R
汎用チップではなく、独自開発したディスクリート型24ビットR2R DAC回路採用でありながら2万円台の低価格を実現した機種。かなり薄型なので入出力は少なめだが特に困りはしないだろう。
Fosi Audio Q6
最小構成で電源もUSB電源。ボリューム機能もなく割り切った使い方を想定する。
DACチップはAK4493S。
電源はUSB入力共用の5V。
電源はUSB共用なので非力ではあるが低消費電力ではあるだろう。機能がかなり限定的なので初心者向けというよりは愛好者のサブ機としての位置付け。
Fosi Audio ZD3
シリーズでセットを意識したデザイン。バランス出力やARC入力を備える。
DACチップはES9039Q2M。
電源は12V電源アダプタ。リモコン付属
オペアンプ交換も可。
Fosi Audio ZH3

S.M.S.L C200 PRO
小型だがTRSバランス出力にヘッドフォンアンプも搭載で電源もACインレットとかなり詰め込んだなと感じる。このサイズバランスだと小型過ぎるゆえに返って使い勝手に窮屈さが生じてしまうことも想定される。4.4mmヘッドフォン出力は出力的に疑似バランスであろう。
DACチップはES9039Q2M。
ACコードとリモコン付属。
S.M.S.L D1
全面にノブがなくタッチ操作でリモコンも付属しないので操作性には難があるかも。
DACチップはBD34352EKV。
電源は5Vでアダプタなし。
ローム社のDACを搭載した機種は少なく、それをこの値段で実現したことに意味がある。ただし、機能は限定的にボリュームもないだけに微妙でもある。
S.M.S.L D100
D200に似たデザインを採用。ヘッドフォンアンプを搭載してるが疑似バランスであろう。
DACチップはES9081。
電源は5V。
おそらくヘッドフォンアンプは疑似バランスで電源も5Vなので性能はそれなり。しかし、DACチップにはES9081搭載して価格は2万強と安くもないのでシンプルなDACとしてなら。
S.M.S.L DO100 PRO
ヘッドフォンアンプは搭載しない。XLRバランス出力あり。
DACチップはES9039Q2Mを2基搭載。
電源はACインレット。リモコン付属。
S.M.S.L D200
ヘッドフォンアンプは搭載せずDAC専用機。バランス出力を搭載。
DACチップはBD34352EKV。
電源はACインレットでトランスのリニア電源。リモコン付属。
希少なローム社のDACチップ搭載機種としては上位機種である。価格が5万弱と安くはないが、他にないDACでもある。
S.M.S.L M300SE
長方形デザインの独特な形状。XLRバランス出力を搭載してるが、アンバランスが通常のRCAではなく3.5mmなのが特徴で、おそらくサイズ的な制約のためであると思われる。ヘッドフォンアンプも搭載して4.4mmバランス出力も搭載しているが疑似バランスであろう。
DACチップはCS43131を2基搭載。
電源は5V。リモコン付属。
Topping DX5Ⅱ
190×131×44mm(ゴム足を含む) 954g 15W
DX5は丸みのあるデザインであったが新機種はクラシックなデザインに回帰し、ディプレイを強化。機能も強化でフルバランス回路にヘッドフォンアンプもバランス駆動とスペック的には高級機と遜色ないレベル。
DACチップはES9039Q2Mを2基搭載。
電源はACインレット。リモコン付属。
現在のトレンドを意識した作りで、ヘッドフォンアンプもXLRと4.4mmに対応する。スペック的にはコスパに優れるとはいえ、実売価格で5万強と安くはない。

Topping E50II
小型ながらTRSバランス出力搭載。
DACチップはAK4497S。
電源は5V。リモコン付属

