不動産,借地借家法,賃貸借

賃貸借の対抗要件

土地を借りていたが、その土地を第三者が買ったとき

不動産の賃借権は登記があれば第三者に対抗できます。(民法605条)

なので、登記がないと借りていても対抗できません。

借地権は登記してないが、その土地の上に建物を所有してたとき

借地権は登記がなくても、土地の上に借地権権者の登記ある建物を所有するときは対抗できます。(借地借家法10条1項)

賃料に関する問題

賃料増減額の特約は強行規定。

一定期間は借賃の額の増減を行わない旨を定めたが、相場と乖離したとき

借賃の特約は強行規定なので借主に不利となる減額しない旨の特約は無効です。(判例)

特約があったとしても減額請求はできるということです。

建物買取請求権

借地権の満了したときに地主に建物と買取を請求する権利。(借地借家法13条)

基本的に地主が契約の更新を拒んたときの権利です。

時効

取得時効一般

時効取得できる権利

所有権、地上権、永小作権、地役権、不動産賃借権

時効取得できない権利

不動産(所有権)の取得時効

 

相続人が土地の占有を承継したとき

占有者は自己の占有を主張することも、前に占有者の占有を併せて主張することもできます。(民法187条1項)

相続による承継も認められます。(判例)

無権利者から土地を購入して占有したとき

売買契約,手付

手付と解除

手付には種類があるが原則的には解約手付、一般的にも解約約手付とされている。

買主が売主に手付を交付したとき

相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄して、売主は手付の倍額を現実に買主に償還することで契約解除できます。(民法557条1項)

相手側が既に契約の履行に着手してたときは解除できないことになります。買主が支払う準備をしたうえで売主に履行の催告をした場合は契約の履行に着手したとされます。(判例)

贈与契約

贈与契約と負担付贈与

贈与契約は無償契約。負担付贈与は有償契約に近い。

書面によらない贈与契約の撤回

書面によらない贈与は履行の終わってない部分は自由に撤回できます。(民法550条)

ただし、負担付贈与の場合は相手が履行の着手をした後は撤回できません。(判例)

負担付贈与に担保責任はあるか

負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において売主と同じく担保の責任を負います。(民法521条2項)

売買契約同様の不適合責任を負うので、追完請求、代金減額請求、解除、損害賠償についても同様です。

負担付贈与は債務不履行になるか

負担付贈与については双務契約に関する規定が準用されます。(民法553条)

 

相続

相続全般

相続前に被相続人の子が死亡してたとき

直径卑属であれば子から孫、ひ孫へと代襲相続されます。(民法887条)

被相続人に子や代襲相続人がいないとき

被相続人に直系尊属が相続人となるときは被相続人の兄弟姉妹が相続人となることありません。(民法889条)

直系尊属もいなければ兄弟姉妹も相続人となります。

兄弟姉妹が相続する場合に兄弟姉妹の子も死亡してたとき

被相続人の直系卑属には代襲相続が認められますが、兄弟姉妹の子の代襲相続はその子までの一代限りです。(民法889条2項)

なので、兄弟姉妹の孫は相続できません。

相続回復の請求権

相続回復の請求権の時効

相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年、相続開始の時から20年を経過したときは時効によって消滅する。(民法884条)

意思表示

錯誤による取り消し

社会通念に照らして重要であるとき。

要素の錯誤、又は動機の錯誤(法律行為の基礎として表示されてるとき)は、表意者に重大な過失がなければ取り消せる。(民法95条1、2項)

表意者に過失があるときでも錯誤による取り消しができるとき

相手方が錯誤について知り、又は重大な過失によって知らないときは取り消せます。又は相手方が表意者と同一の錯誤に陥ってたときも取り消せます。(民法95条3項)

 

委任契約

委任契約の特徴

委任契約は法律行為をすることを委託し、相手が承諾することによって効果を生じる。

受任者には善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務があります。(民法644条)

委任契約の報酬

委任契約の原則は無償契約。(民法648条第1項)

なので問題文には報酬を支払う旨が明記されてるはずです。

委任契約が委任者の帰責事由により終了したとき

債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は反対給付の履行を拒むことができません。債務者は自己の債務を免れたことによって利益を得たときは返還の必要があります。(民法536条2項)

委任契約が委任者の帰責事由なく終了したとき

受任者は既に履行した割合に応じて報酬を請求することができます。(民法648条3項)

委任契約が受任者の帰責事由により終了したとき

委任の履行が途中で終了したときは、受任者は既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができます。(民法648条3項)

つまり受任者の帰責事由に関わらず途中で委任が終了しても報酬を請求できます。

 

賃貸借

賃貸借契約の終了と原状回復義務

賃借人は賃貸借契約の終了時に原状回復義務を負いますが、通常に使用によって生じた損耗や経年劣化については対象外です。(民法621条)

賃借人に帰責事由のない自然災害等も原状回復義務はありません。

敷金

敷金の返還時期はいつか

賃貸物と敷金は同時履行ではありません。賃貸物を先に返還する必要があります。(判例)

敷金の返還は賃貸借が終了し、賃貸物の返還を受けたときです。(民法622条)

敷金を賃料債務の弁済に充当することができるか

賃貸人は敷金から賃料債務の弁済に充てることができますが、賃借人からの請求はできません。(民法622条の2第2項)

債務不履行

債務不履行と解除

債務不履行による解除は目的が達成できない場合の救済であり、必須ではない付随的義務の履行を怠ったに過ぎないような場合には特別な事情がなければ契約を解除することはできない。(判例)

つまり、不履行が付随的義務なら解除はできないということです。

債務者の責めに帰すべきとき(帰責事由があるとき)

債務者の帰責事由は関係ありません。あくまで契約内容によってのみ判断されます。債務者に帰責事由があったとしてもそれが付随的義務の不履行に留まるときは解除ができませんし、帰責事由がなくても必須的債務の不履行なら解除できます。

軽微な債務不履行でも催告があれば解除できるか

原則としては債務不履行があれば相当の期間を定めて催告した後に契約解除することができます。ただし、契約及び取引上の社会通念上に照らして軽微であるときは解除できません。(民法541条)

債務不履行による解除には必ず催告が必要か

債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したときは催告は必要ありません。(542条2項)

履行を拒絶した人に催告しても意味ないから当然ですね。

 

保証契約

保証契約と根保証契約の違いを問う問題

例 住宅ローンの保証人は保証契約(保証額が決まってる)

例 賃貸借契約の保証人は根保証契約(保証額が不定)

口頭による合意が有効かどうか

保証契約は書面でしなければ効力は生じません。(民法446条2項)

なので保証契約の種類に関わらず口頭による合意は無効となります。

連帯保証だと違いはあるか

連帯保証人は催告の抗弁権、検索の抗弁権を有しない。(民法454条)

保証契約と根保証契約に違いはありません。

公正証書による意思表示の有無

事業用の貸金債務を主たる債務とする保証契約、又は貸金債務が含まれる根保証契約は締結に日の一か月以内に作成された公正証書で保証人が履行する意思を表示しなければ効力を生じません。(民法465条の6第1項)

なので違いがあるのは債務の内容であり、契約形態ではありません。

保証契約に関する問題

主たる債務とは言えない債務の責任はあるか

特定物売買において、買主から売主に前払金が支払われたが、売主の債務不履行によって契約が解除された場合の代金返還債務についても及ぶ。(判例)

前払金は主たる債務とは言えませんが、判例では保証の責任を認めました。

主たる債務が契約後に変更されたとき

保証人の負担は加重されません。(民法448条2項)

主たる債務者が時効を援用、又は利益を放棄したときの保証人

主たる債務者が時効の援用、又は放棄したとしても相対効であり保証人には影響を与えません。(判例)

委託を受けた保証人が弁済期前に債務を弁済したときの求償を求めたら、主たる債務者が相殺できる反対債権を有してたとき

主たる債務者の相殺できる反対債権は保証人に移転します。(民法459条の2第1項)

保証人は主たる債務者に代わって、債権者に対して反対債権の履行を請求することになります。

委託を受けた保証人が主たる債務者に通知せずに債務の消滅行為をしたとき

委託された保証人が主たる債務者に通知せずに債務の消滅行為をしたときは、主たる債務者は債権者に対抗できた事由をもって保証人に対抗できます。(民法463条1項)

 

根保証契約に関する問題

個人と法人で違いはあるか

個人根保証契約は極度額を定めなければ効力を生じません。(民法465条の2第2項)

法人ならば定めなくても良いということです。